特集
もっと知りたい野菜づくり ~ブロッコリー編~ vol.01
ブロッコリーの栽培
ブロッコリーの作型は大きく2つに分けることができます。①7〜8月にかけて種をまき、秋から冬にかけて収穫を行う作型(夏まき栽培)と、②2〜3月にかけて種をまき、初夏(6月ごろ)に収穫を行う作型(春まき栽培)が一般的に行われています。そのうち、今回は①の『夏まき栽培』をご紹介します。
ただし、品種により播種(種まき)できる時期は異なります。播種時期を確認し、定められた時期に行いましょう。
播種(夏まき栽培)
播種時期が7月〜8月の高温期にあたります。そのため、高温対策を行いましょう。あまりにも高温(30℃以上)が続くと発芽に影響を及ぼします。寒冷紗などの被覆資材を用いて遮光を行います。ただし長期間の使用は徒長の原因となるため、発芽後には除去しましょう。好適環境下では、播種後2〜3日で発芽してきます。
育苗(夏まき栽培)
高温期の育苗になるため、乾燥に注意しましょう。ただし過度のかん水・水分は徒長や病気の原因となります。
<回避する方法>
①午前中(なるべく早い時間帯)にかん水する。
②かん水の回数を控え1度に多くの水を与える。
③トレイやポットを少し地面から浮かし、空間を作る。(写真1)
夕方には表面が乾いているぐらいの水分量が理想的です。あまりにも高温になるときには、寒冷紗などで遮光しましょう。ただし徒長をさけるため、遮光する時間帯は10時から15時ぐらいまでにしておきます。
写真1は、コンテナの上にセルトレイをのせたもの。セルトレイの下に空間を作ることで、余分な水分を逃すことができます。
苗の大きさは使用するポットにより異なります。128穴セルトレイでは本葉3枚〜4枚・播種後25日前後、ポットでは本葉4枚〜6枚・播種後30日前後を目安とします。
定植が遅れると老化苗になり、活着が遅れ、生育不良や不整形花蕾(形が乱れてしまった花蕾のこと)の原因となります。
もし畑の準備が間に合わなければ、より大きなポットに移植し、生育が停滞しないようにします。写真2のように、根が多く鉢の形状に回り、土が崩れないほどに固くなっていれば老化苗といえるでしょう。
写真2…左は種まき後40日目の苗、右は種まき後25日目の苗です。右側は定植適期苗、左側は根が巻きすぎており老化苗といえます。